名もなきライターのブログ(千葉市かず.inc)

自分の手で人生を切り拓いていゆく。連絡先:namonakiwriter@gmail.com

「たった1文字」で世界を自由自在に操作する

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私はnoteというコンテンツサービスで月額350円の「名もちゃん気まぐれマガジン」を運営しています。バックナンバーがあまり売れず、もったいないので、月に1度ほど、過去記事からブログに公開していこうと思います。サロンの人たちは月1ならいいよっていってくれてるので。気に入ったらマガジンをどうぞ。

 

今日は8月17日号から。マガジンでは言葉のパワーにたびたび触れているのですけど、今日は一言どころか「たった1文字」で世界を支配するという話を書きます。 

 

1文字・・・?そう、たった、ひと文字。たったひとつの日本語を使うだけで、読んでいる人を圧倒的に自分の世界へと投げ込み、ぐぐぐっと読ませてしまう、そんな言葉ってどんなものなのでしょうか。

 

 

 

ではいきましょう。

 

尾崎放哉が残した句


明治から大正にかけて、尾崎放哉(おざきほうさい)という俳人が活躍しました。自由律、自由句で豊かな表現力を背景に、さまざまな句を発表しています。

その尾崎放哉の残した句に、

 

「咳をしても一人」 

 

という有名な作品があります。

 

もっとも大切な言葉はどれ?

 

さてここで、この「咳をしても一人」のなかで、もっとも重要な日本語はどれでしょうか。咳?一人?さてどれでしょうか。Noteにちょっと余白を持たせますので、考えてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

たったひとことで世界観が浮き彫りに

 

答えは、「」なのです。咳をしても一人。この「も」があることで、書き手が孤独であること、そして病を患っていること、さらに、おそらくは貧乏であることなど、さまざまな背景が浮き彫りになります。

 

この「も」を他の文字に置き換えることはできません。咳をしたら一人。咳をしてるけれど一人。咳をしたのに一人。どれも、尾崎放哉の世界観を正確にあらわすことはできないですよね。咳をしても一人。この「も」があるからこそ、イマジネーションが喚起され、彼の絶対的な孤独が、さみしさが、絶望が、まざまざと読み手の脳内に浮かび上がってくるのです。そして、ぐいっと彼の世界に投げ込まれてしまいます。

 

まとめ

 

ことばは非常に面白く、奥が深いものです。そして表現力は豊かにできます。尾崎放哉ほどの日本語の達人にはなれなくとも、文章力を磨くことで、少しでも偉大な俳人に近づくことができれば素敵ですよね。名もちゃんマガジンでぜひ一緒に勉強していきましょう!