知的生産と労働をわけるものは何か。そして価値主義時代におけるバリューの正体

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高学歴女性の非業の死をきっかけとして、政府によって高らかに宣言された「働き方改革」。おもに残業抑制やワークライフバランスが取り沙汰されているものの、その上位概念として「生産性」が日本の課題となっていることはあまり知られていません。

 

 

知的生産と労働をわけるものとは?

 

仕事をして対価をもらっていると、人はついつい時給を計算してしまいます。そして、仕事を依頼されて、「いくらなら受けてくれますか?」と聞かれた場合に、時給をベースに計算してしまいがちです。

 

しかし、原価積み上げ方式では、誤ったプライシングをして過重労働に陥ってしまうリスクがあります。OECDの調査によると日本は先進国最下位の生産性であり、国際的にも生産性の低さと長時間労働、過労死が問題として取り上げられていることはご存知ではないでしょうか。

 

これらはすべて、原価積み上げ式で、かけた時間に対して報酬を得るという労働価値説を私たちが信じていることに由来しています。

 

では、労働と知的生産を分けるものとは何か。それは価値であり、すなわち、「バリュー」であると言い換えることができます。そして、今や資本主義の時代から、価値主義の時代へ向かいつつあるということは、いろいろな人が指摘しているとおりです。

 

バリューとはお金を持っていることでもフォロワーが多いことでもない

 

では、そのバリューとは何でしょうか。お金を稼いでいることでしょうか。それともSNSのフォロワーが多いことでしょうか。どちらであったとしても、違和感があります。お金やSNSのフォロワーがその人の仕事の質を決めるわけがなく、大切なのはバリューであることは明らかです。

 

2014年に安宅和人さんが書いた『イシューからはじめよ』によると、バリューのある仕事とは、未解決の課題を解くことであり、社会すなわち私たちがまだわからないことに対して、答えを出していくことであると定義されています。そして何より、問いの質を高めることにつながるのです。

 

 

未解決の課題を説いていくこと。そして未来をつくっていくこと。そのためには良質な問いが必要です。やはり多くのビジネスパーソンが指摘している通り、仕事とは未来を作ることであり、だからこそ彼らは十分な報酬をもらいながらも情熱的に仕事へ取り組むのでしょう。未来をつくっていくことは不確実性の中に飛び込むこと。わからないからこそワクワクする、よって仕事は楽しい、という真理の高みへと到達します。

 

時代遅れにならないためにこれからも読書を

 

安宅さんが『イシューからはじめよ』を書いたのは2010年。ブログを書いたのが2008年。

d.hatena.ne.jp

つまりその1年前にはすでに着想が頭のなかにあったことになります。そしてちきりんさんが『自分の時間を取り戻そう』、伊賀泰代さんが『生産性』を書いたのが2016年なので、これも2015年の時点ですでに頭の中に、「今後の日本における大きな課題は、生産性の向上である」という着想があったことになります。

 

 

 

つまり今から『イシューからはじめよ』を読んでる私は、10年から3年、イノベーターに遅れを取っているということになりますね。

 

さらにインターネット上にVALUというサービスが登場したのが2017年。よって、価値主義時代と生産性向上の流れは始まったばかりで、しばらく続き、これからも広がっていくものとみられます。

 

解かれるべき課題を解決すること。そのために質の高い問いを立てること。それこそがイシューの正体である。1章を読んだだけでかなり考えることがあり、非常に有意義な読書体験ができています。『イシューからはじめよ』、知的生産における価値主義とは何か、生産性向上とは何か、と考えている人に、明確な答えを与えてくれます。

 

 

 

そしてアウトプットを正確に行い、より伝える技術を高めていくには、結城浩先生の『数学文章作法』がおすすめです。書き込みや付箋ができるので、紙でぜひ。

 

 

また今日も、謎の意識高いブログを書いてしまいました。たくさんのビジネス書を血肉にしながら、より質の高いアウトプットを心がけ、思考をドライヴさせていきたいところです。